SoCとは学生の開発者を育成・支援する目的で、オープンソースプロジェクトの開発に参加できるチャンスを学生に与えるものでもあります。一方のオープンソースプロジェクト側にとっては新しい開発者となるかもしれない人材を獲得できるというメリットもあります。
学生はエントリーされているアプリケーションなどの中から自分がやりたいプロジェクトを選択し、申請します。申請が通れば500ドルを受け取り、プログラミングを開始します。メールでアプリケーションの開発者(メンテナ)からアドバイスを受けたりしながら期限までにプログラミングを行って目標を達成できれば、4000ドルとTシャツを手に入れることができます。
昨年もSoCが行われており、概ね好評だったようです。
- Google Summer of Code Google
- 米Google,学生向けプログラミング・コンテスト「Summer of Code」を開催 ITpro
- GoogleのSummer of Codeプログラムを振り返って Open Tech Press
Gimpで行われているプロジェクトは次のとおりです。
- Ruby-Gimp scripting
- New/Extended Brush System
- Proposal for wavelets-based imaging applications in GIMP
- Save for Web or set of filters
- GIMP resources repository
- Proposal for implementing vector layers in the GIMP
- Vanishing point cloning
Ruby-Gimpについては、数年前に酒井さんがGimp-1.2に対して開発したことがあります。今ではRubyも海外ではメジャーな言語となっているのでしょうか。
ベクトルレイヤーについて。
昔話になりますが、Gimp-1.0の頃は「レイヤー&チャンネル」ダイアログであって、パスダイアログは存在しませんでした。パスツールはありましたが、パスツールで選択領域を作った後は選択領域が残るだけでパス曲線のデータは破棄されてしまっていたのです。Gimp-1.2になってからはパスダイアログの登場とともにパス曲線のデータを再利用できるようになりました。
そして、ベクトルレイヤー。直線と曲線の線分データを持ち、拡大縮小などの幾何学変換を行ってもぎざぎざになったりなどのデータを失うことがないものです。
実際のGimpの各ツールについてみてみると、そのほとんどはラスタデータを対象にしたツールであって、ベクトルデータを対象にできるものは拡大縮小と、胸像反転、回転などの幾何学変換ぐらいなものではないでしょうか。あとはテキストツールかな。グラデーションツールといったものはラスタライズせずにベクトルレイヤーに適用するには変更が必要でしょうね。
現時点での参考となるのはGFigプラグインやInkscapeといったものでしょうか。
そのベクトルレイヤーを手がけている学生さんHenk Boom氏のBlogがこれです。
現時点でのXCFフォーマットではベクトルレイヤーを保存できないのがネックです。
もしベクトルレイヤーを試してみたいのならsoc-2006-vector-layersブランチをとってくるとよいでしょう。
SoC2006Log
ウェーブレットベースの画像処理
Divyanshu Vats氏はウェーブレットベースの画像処理を手がけており、以前にもJPEG2000プラグインを作ったことがあるそうです。そして現在はデノイズと反ハーフトーンを手がけています。
Wavelet Applications for GIMP
あとヒーリングブラシもプロジェクトの中にあったはずだけど、どこにいったのかな。