2006年11月01日

日本のGimpコミュニティ変遷

私が知っている、日本におけるGimpコミュニティの変遷をまとめた上で書いてみたいと思います。

もし間違いがありましたらご指摘ください。


  • Gimpが誕生したのが今から約10年前の1996年。
    当時はまだインターネット黎明期で、利用している先進的なユーザーはまだ一握りの人に限られていました。そのような中で発表されたGimpはMotifという商用ツールキットを使用していたため日本では大学などのUnix上で使っていたという話しは耳にしますが、個人で使っていたユーザーは少なかったと思われます。そしてユーザー数の少なさからまとまりのあるコミュニティはなかったようです。


  • Gimp用ツールキットとしてGTKが開発され、Motifの呪縛から解き放たれたGimp-0.6が出ます。そして長いGimp-0.99の開発が始まります。
    この間に日本でもLinuxが認知されるようになり、それとともにGimpも知られるようになっていきます。Gimpの開発に日本人もタッチするようになります。また東北大学ではGimpのサークルができたそうです。そのサークルの人たちが翻訳をしたり開発にタッチしたりしていたことを考えると、国内外の両面で意義のあるサークルだったと思います。HypercoreではGimpのためのメーリングリストが開始され、好奇心旺盛な人々がインストール情報交換などを行います。(現在は停止ぽい)


  • Gimp-1.0がリリースされる頃になるとPC雑誌のCD-ROMにLinuxがつくようになり、それでGimpを触れる機会も増えてきます。私がこの時期でした。
    まだ国際化されていなかったGimpにパッチを当ててGimpを日本語化したり、パッチを当ててタブレットを使えるようにしたりといったテクニックが利用されるようになります。
    そのためGimpでお絵かきをしているというサイトも作られたりと、Gimpのことが記述されているホームページが増えてきます。ちょうどインターネットが広く普及し始めた頃です。しかしながらどちらかといえばライトユーザー向けというよりもコアユーザー向けのサイトが多かったような気がします。


  • Gimp-1.2が出る頃より前から、Windows版Gimpの存在が知られるようになってきます。不安定であり常用して使うにはとても無理がありましたが、Windowsというユーザー数の多いプラットホームで使えるということはGimpコミュニティの拡大にとって大きな意味があったと思います。
    Gimpの広がりを予感させる時期であったのですが、日本にはGimpを体系的に取り扱ったサイトがまだまだ少数でした。sけいしさんのサイトをよく見に行っていたのを覚えています。そんな中、こむぎさんがGimPを立ち上げ、私もそれに刺激を受けながら晴れときどきGIMPを作成していきました。「普通にあるお絵かきソフトとしてのGimpの使い方」をこむぎさんのサイトでやってもらい、それとは違う分野を私が主にやっていこうと計画してサイトつくりを進めていきました。

    Gimp-1.2でGimpが国際化され、日本語表示になります。また少しづつWindows版のGimpも安定していきました。
    このWindows版が日本語Windowsで使うには色々と問題があったため、再パッケージ化+いくつか修正したものをVectorに置くようになります。なるべくトラブル無しで容易に使えるようにとの考えからです。
    やがて影響力の大きいWindows雑誌の付録にもGIMP for Windowsが収録されるようになり、Windows100%誌では毎月連載となります。
    そのような経緯を経てGimmpを使うWindowsユーザーが増えていきます。
    この頃の日本でのGimpコミュニティの中心は、(自讃交じりですけど)こむぎさんと私のサイト、及びGimp共同掲示板であったように思います。色々な情報交換がなされていて、人が集まっていました。


  • しかしながら私もこむぎさんも忙しくなっていき、Gimpに割ける時間が少なくなっていきます。
    Gimp-2.0.0がリリースされ、その9ヵ月後にはもうGimp-2.2.0がリリースされてしまいます。自然と、メンテナンスされていないサイトの情報は古くなっていきます。
    GIMP2についての情報交換を求めて、やがて巨大BBSである2chのGimpスレッドに人々が集うようになります。

    そしてそのGimpスレッドにてGIMP2について書いたGIMP2を使おうというサイトが広く知られるようになり、そのサイトは精力的に更新が続けられています。またGIMP-Beginnerのようなサイトも表に出てきます。
    私の想像になりますが、現在の日本のGimpコミュニティの中心は2chのGimpスレッドとGIMP2を使おうのサイトが大きいと思います。



Gimp-1.0の前後に日本でGimp情報を発信していた人がいました。この人たちを第一世代とすれば私とこむぎさんはGimp-1.2の前後にあたる第二世代でしょう。しかしサイト更新が停止となって旧世代となり、今では隠居状態です。
GIMP2についての体系的なサイトが少ないのは承知しています。でもその状況の打破は新しい世代の人にがんばってもらいたいというのが私の考えです。

GIMP2を使おうのサイトは偏っていて万人向けではないように思えます。しかし興味のある特定方向への掘り下げがGimpらしくて私は好きですね。
GIMP-Beginnerは読みやすいマニュアルみたいな感じです。基本的にこの手のソフトは操作に慣れるのが大変なので、それをどう緩和していくかが腕の見せ所だと思います。
Gimp wiki(ja)は、だれでも編集可能なwikiページとして大きな可能性を持っています。しかし現時点でそこまで活用されていないのが残念です。Gimpというソフトウェアの性格上どうしても画像を表示したほうが分かりやすく解説できるのですが、ファイルの添付ができないというのが大きな障害となっています。
2chのGimpスレッドは・・・ちょくちょく見ていますが、まだどのスレッドにも書き込んだことが無くずっとROM状態です。カオスながら2chらしい秩序がみられるところが面白いですね。




MinGWでコンパイルする方法を調べている時に見つけたサイトの脚注を読んだとき、色々と考えさせられました。

確かに検索サイトで探すと旧情報の載っているサイトが上にきます。昔から存在してたことや、その当時のサイトの相互的なつながりが強かったことも一因でしょう。Vectorが上位にきているのもVectorゆえに、でしょう。
なぜ私が更新を停止したサイトを残しているのかという理由は、Gimp-0.99/1.0について書かれた日本のサイトが次々と閉鎖して消えていったことに心を痛めたことがあるからです。メンテナンスできないから消すのだ、という理由は十分分かります。その一方で、新しいものがでたから旧くなった情報は価値がないのかと言うと、必ずしもそうじゃないのだよと思います。思わずミラーを残していいか聞こうとしたものです。

検索サイトにGIMP2の情報が上位に出てこない、それならばGimp-1.2の時を上回るぐらいGimpコミュニティの輪を広げて、繋がりを持ったりして活発になればと思うのです。
当時と比べてWindows版Gimpの動作も明らかに安定して動くようになっています。Gimpユーザーは確実に増えました。新しい世代の人がGimpサイトを立ち上げたり情報交換をしたり、Gimpコミュニティをもっと広げることができるはずでしょう。
そうなることを私は願っています。


posted by いっちー at 22:57| Comment(0) | Dialy | 更新情報をチェックする
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